2022/10/31
まごころストーリー
【全国のまごころストーリーVol.6】まごころサポート店舗が連携して、シナジーを起こす。 千葉市川の3店舗が考える「理想のまちづくり」とは?【前編】
「同じ地域に他のまごころサポートの店舗がある場合、どう連携したらいいの?」
時々、そんなお声をいただきます。
それぞれの得意分野で連携しながら良いシナジーを生み出していけたら、より大きくまちづくりに貢献できるかもしれない……そう考える方も多いのではないでしょうか。
今回はそのモデルケースとして、千葉県市川市の3店舗のオーナーさんたちにお話を伺いました。市川市には現在、「まごころサポート 市川菅野ヤブサキ店」「まごころサポート いちかわクッカー店」「まごころサポート 千葉東葛Flow店」といった3店舗が存在しています。
それぞれ異なる業種に携わっているオーナーの皆さん。今後どのように市川で連携していきたいか、それぞれの思う「まちづくり」についてお話をうかがいました。
前編後編の2回に分けてお届けいたします。
三者三様のまごころサポートを始めた理由
ー本日は、市川市のまごころサポート3店舗のみなさまにお集まりいただきました。まずはそれぞれ自己紹介をお願いできますか?
薮嵜:まごころサポート 市川菅野ヤブサキ店の薮嵜です。母体のヤブサキ産業という会社では、千葉県北西部を中心に、ガソリンスタンド、整備工場、レンタカーなど、22の拠点でカーライフにまつわるB2C事業を行っています。B2Bでは、県内350社に燃料や潤滑油をタンクローリーで配達するという事業も行っています。
10年前に創業者の父から会社を引き継いだのですが、ガソリンスタンド自体、この20年で半分ほどに減ってきており、石油業界全体が斜陽産業。そんな中で私たちは「カーライフからライフへ」と、中期ビジョンを掲げてチャレンジし続けているところです。
まごころサポートに興味を持ったのは、私たちの事業との親和性が高く、これからのビジョンにも合うサービスだと感じたからです。地域密着型で車を持っていないお客様にもアプローチできること、免許返納のお客様ともお付き合いが保てること、定年延長するスタッフも活躍できる仕事内容であることなどから、さまざまなメリットを感じてまごころサポートに加盟いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
まごころサポート いちかわクッカー店 オーナー西原 亮(にしはら りょう)さん
西原:まごころサポート いちかわクッカー店の西原です。2013年8月に父から牛乳販売店を引き継ぎ、明治クッカーという会社を経営しています。市川を中心に、柏や市原などにお住まいのお客様に乳製品をお届けしています。
薮嵜さんもおっしゃっていましたが、牛乳販売店もこの10年で店舗数が3分の2までに減少しました。理由は端的に「儲からない」から。後継者不足、高齢化が進んでいます。
私自身会社を引き継ぐときに、デジタル化が進む中でも、お客様とのラストワンマイルのコミュニケーションの接点があれば、なんとか打開策が見つかるのではないかと考えていました。そこでお客様がどんなニーズを抱えていらっしゃるのか、一度アンケートをとったのですが、その結果を見たときに愕然としたんですね。「ペットのトリミングに連れていってほしい」「電球を交換してほしい」など要望が多岐に渡りすぎて、とてもじゃないけど牛乳配達しながらでは対応できないということがわかり、どうすればいいか葛藤を抱えていました。
そんなときまごころサポートを知り「これだ」と思いました。私たちのお客様は圧倒的にシニアの方が多く、市場も親和性が高い。アンケートで集めたニーズも、まごころサポートとしてなら提供できると思い加盟しました。どうぞよろしくお願いいたします。
まごころサポート 千葉東葛Flow店 オーナー大塚 倫也(おおつか ともや)さん
大塚:まごころサポート 千葉東葛Flow店の大塚です。これまでは看護師や保健師として、病院や企業、地域の保健センターなどで活動をしていました。
医療や保健の業界に携わる中で、課題を感じていたことがあります。1つ目は「世の中には、生きがいややりがいを持てない人が多いのではないか」ということ。医療の現場でも、「歩いて入院したのに、寝たきりで退院することはいいことなのだろうか?」など、日々葛藤を抱えていました。
2つ目は「保健師はもっと地域に参加していくべきではないか」ということです。保健士の仕事は地域の健康を守ることなので、もっとコミュニティに入ったり、健康推進イベントを促進することが必要なのですが、多忙でそれができない状況。「もっと保健士が街に入り込むにはどうしたらいいんだろう」と考え続けていました。
そうした課題感を元に、現在は二つの事業に取り組んでいます。1つは、生きがいややりがいにコミットした、学生向けの学習塾。もう1つは、子育て中のお母さんたちに向けた相談サービスです。これら二つの事業を通じて、生きがいややりがいを感じる教育を行っていきたいと考えています。
このように考えていると、高齢者も自然と視野に入ってきます。定年を迎えて家でぼーっとしていても、生きがいややりがいって見つからない。そこを解決したいというのが、個人的に強くありました。
また、母は介護福祉士をしているのですが、彼女も介護保険適用内でできることに限りがあると感じていたそうです。シニアの方から保健適用外の依頼が増えているのに、応えることもできない現状。母の方でも、それをなんとかしたいという気持ちがありました。
まごころサポートなら、医療の面でも生活の面でも、生きがいややりがいをサポートできるのでは。そう考え、まごころサポートに加盟しました。どうぞよろしくお願いいたします。
市川はコミュニティの場が少ない?
ーまずうかがいたいのが、皆さんにとって市川はどんな地域なのでしょうか? 市川という街が抱える課題について、思うところがあれば教えてください。
薮嵜:うーん、市川の課題についてはあまり考えたことがなかったけれど、子供が遊んだり人が集まれるような、公園みたいなところは少ないかなと思いますね。住むには便利だけど、憩いの場が少ない気がします。近くの江戸川区は対照的で、いい公園や動物園があるんですけど。市川にも、みんながふらっと集まれるような共有地ができるといいですよね。
西原:おっしゃる通りで、市川ってあまり特色がないベッドタウンなんですよね。流山は子育てがしやすい街として人気だし、松戸は若者のコミュニティがしっかりとある。でも、市川は目立った特徴やコミュニティがない印象があります。
ただ、逆に言えば新しく参入する余地が大きいということでもあります。ここでまごころサポート3店舗が手を組んで動きを作っていけたら、インパクトがあるだろうな、と。
大塚:私は地元が市川ではないので詳しくないのですが、学習塾の近所のお宅に「◯◯班長」とか「◯◯組長」といった札がよくかかっているのを目にします。おそらく、シニア同士の繋がりはあるんじゃないでしょうか。ただ、若いファミリー層とシニア層の繋がりがどこまであるのかは疑問ですね。
西原:ちょっとお二人に聞きたいのですが、市川は若くしてメンタルに不調をきたしている方が多い印象はないですか? 牛乳配達をする中で、そういったお子さんに悩まれている親御さんが多いなと感じているのですが。そういう方々を、外に連れ出したいなという気持ちもあります。
大塚:市川に特に多いかどうかはわからないのですが、確かにメンタルに不調をきたして家から出られない方は全国的に増えていますよね。そういった方が、まごころサポートを通して週に1度でもいいから外に出られたら、という気持ちは私もあります。
ー繋がりやコミュニティが希薄であるという課題に、まごころサポート3社がアプローチできる余地がありそうですね。それはシニアの方だけでなく、若者やアクティブシニアにとっても意義のあるものになりそうです。
続きは後編で!
【全国のまごころストーリーVol.6】まごころサポート店舗が連携して、シナジーを起こす。 千葉市川の3店舗が考える「理想のまちづくり」とは?【後編】
<Photo:関 愉宇太、Text:土門 蘭>