全国のまごころストーリーVol.6
千葉市川の3店舗が考える
「理想のまちづくり」とは?【後編】

2022/10/31

まごころストーリー

【全国のまごころストーリーVol.6】まごころサポート店舗が連携して、シナジーを起こす。 千葉市川の3店舗が考える「理想のまちづくり」とは?【後編】

「同じ地域に他のまごころサポートの店舗がある場合、どう連携したらいいの?」

時々、そんなお声をいただきます。

 

それぞれの得意分野で連携しながら良いシナジーを生み出していけたら、より大きくまちづくりに貢献できるかもしれない……そう考える方も多いのではないでしょうか。

 

今回はそのモデルケースとして、千葉県市川市の3店舗のオーナーさんたちにお話を伺いました。市川市には現在、「まごころサポート 市川菅野ヤブサキ店」「まごころサポート いちかわクッカー店」「まごころサポート 千葉東葛Flow店」といった3店舗が存在しています。

 

それぞれ異なる業種に携わっているオーナーの皆さん。今後どのように市川で連携していきたいか、それぞれの思う「まちづくり」についてお話をうかがいました。

 

前編後編の2回に分けてお届けいたします。

専門分野を活かして、勉強会やコラボイベントも

ー業種がバラバラなみなさんですが、今後同じまごころサポートとして、どんなふうに連携していけそうでしょうか? まずは得意分野についてうかがいたいのですが。

薮嵜:うちはやっぱり車に関することが得意なので、シニアの方に対しては車の売り買い、レンタカー、メンテナンス全般のことはサポートできます。あとはストーブの灯油の配達なんかもできますね。

ー他のお二人の方で車の相談があれば、薮嵜さんに相談できますね。

西原:それはいいですよね。うちにはまごころサポートで使える武器があまりないなと思っていて……。ただ強いて挙げれば、牛乳配達で毎週お届けするお客様がいるということかな、と。必ずご自宅まで伺うので、一軒あたり年間50回以上の接点があるんです。顧客資産があるというのは、強みかもしれないですね。

薮嵜:対面で会う機会はどれくらいなんですか?

西原:うちはお届けの場合、ボックスに入れるのが9割なんです。お家の外からお声がけするのがメインで、「おはようございます」と声をかけてお返事があるかメモしています。手紙を入れると100%開封されていますね。

お届け時がニーズを汲み取る時間にもなるのですが、配達効率を求めるとそれもなかなか難しい。今は1日60軒配達しているのですが、ゆくゆくはそれを30軒にして、接点時間を長くし顧客単価を倍にしたいなと思っています。それが生き残る牛乳配達のあり方なのかな、と。

ーシニアの方にとっては、毎週定期的に来てもらえるというのは安心感がありますもんね。そういったルートがあるのは素晴らしいです。大塚さんはいかがですか?

大塚:うちの強みはやはり、医療や介護の専門家であることだと思います。健康な高齢者を健康なままにしておくことも大事ですし、すでに要介護・要支援の方の状態をそれ以上悪くさせない、むしろ良くすることもしていけたらなと。

例えばまごころサポートを通して、「今は要介護状態だけど旅行に行きたい」というシニアの方のサポートをする、なんてこともできるのではと思っています。コンシェルジュさんに、どう力を入れたら移動しやすいかなどのレクチャーはできるので。

薮嵜:なるほど、要介護の方も旅行できるんですね。今、大塚さんのお話を聞いていて、やっぱりうちにはまだ全然介護についての知識が足りていないな、と実感しました。介護保険のこともいまいちわかっていませんし。いつか大塚さんにうちに来ていただいて、専門的な講義をしていただけないかなぁと思いましたね。

西原さんとも以前話していたのですが、お互いにコラボしてスマホ教室をしたりとか、イベントをするのはどうだろうとも思っているんです。1社だと中途半端でも、3社で共同イベントを組めば、それなりの人数になるのではないかと。そこでシナジーが生まれたらいいですよね。

ーそれはいいですね! 勉強会をしたりコラボイベントをしたりすることで、まずはコンシェルジュさんたちのコミュニティもできそうです。

3社のコンシェルジュ全員分のスキルを集めて

西原:薮嵜さんが「シナジーが生まれたら」とおっしゃった通り、「3社が連携して良かった」という状態にしたいんですよね。この繋がりを活かして相互にお客様を紹介しあったり、ビジネスを広げることができればいいなと思います。

そこで今僕が一番したいのは、コンシェルジュのサイトを作ることなんですよ。3社に登録しているコンシェルジュさんの似顔絵を並べて、その下にそれぞれのスキルや得意なことを書き込むんです。所属は違うのだけど、市川のまごころサポートにはこんなサービスがあるんだということを網羅する、という。

薮嵜:ああ、それはとてもいいですね。この間、うちのコンシェルジュさんと会議をしたのですが、そこでそれぞれの強みを書いていただいたんですよ。そうしたら、女性のコンシェルジュさんで「大型2種免許を持っている」という方もいて。これは、シニアの方を車に乗せて病院へ連れて行くときも安心だなぁと。

西原:それはすごいですね!(笑) 例えばペットのトリミングができるとか庭木の剪定ができるとか、「こんなことができるコンシェルジュがいますよ」ということがわかるスキルマップができれば、常に案件を回せてお客様をハッピーにできるのではないでしょうか。

きっとそれを見ればシニアの方も行政の方も、「こんなにも幅広いスキルを持った有償ボランティアがいるのか」って驚くと思います。おそらくごちゃごちゃになると思いますが、とことんごちゃっとさせていいと思うんですよ

大塚:スキルマップを作ることで、互いの弱点を補い合えるのがとてもいいですね。スキルが集まれば集まるほど、トータルサポートができると思います。コンシェルジュが少なくて応えられない案件も、他の2社にお願いできたら取りこぼしもないでしょうし。

西原:きっと、実務責任者も勇気づけられますよね。他の2社がここまでやっているんだ!ってことが一目瞭然なので、刺激になるんじゃないでしょうか。切磋琢磨もできて、人材も共有できて、サポートもし合える関係になれたらいいですよね。

ーライバルになるとお客さんの取り合いになりますが、協力すれば3倍のことができる。「ここに頼めばなんとかしてくれる」というコミュニティができたらとても素敵ですね。

生きやすく、楽しみがある、豊かな街へ

ーそれでは最後に、まごころサポートを通して市川をどんな街にしていきたいか、それぞれのお考えを教えてください。

大塚:私が常々思うのは、全国的に独居老人世帯が増えている中、暮らしやすいだけでなく生きやすいまちづくりが大切になってくる、ということなんです。そもそも、「暮らしやすい」と「生きやすい」は違うことなんですよね。

例えば、老人ホームはご飯が出てきて寝かせてくれておむつまで替えてくれて、暮らしやすいところですよね。でも、それって本当に生きやすいでしょうか? 自分の身の回りのことを自分でしなくなって、一日中テレビしか観なくなる。それって生きる価値があるのかな、と。

介護保険があるから生きやすいわけではない。やはり、社会的な役割が何かひとつでもあることが生きがいになると思うんです。何でもいいから高齢者に役割を担ってもらい、彼らが生涯世の中に影響を与え続けることができれば、とても生きやすい世の中になると思いますね。私はまごころサポートで、そんな「生きやすい世の中」を実現したいんです。

ー「暮らしやすい」と「生きやすい」の違い。まさにその通りですね。

大塚:また、「病院ではなく家で看取られたい」というシニアの方は多いのですが、実際は病院で亡くなるのが7割。なぜかというと、家族が看病できないからなんです。だけど介護保険とまごころサポートをフル活用していただければ、家で亡くなることも実現できるかもしれない。そんな世の中を市川から実現していけば、全国的にもいいモデルケースになるのではないかと思います。

ーありがとうございます。西原さんはいかがでしょう?

西原:私は基本構想としては、「歳を重ねるほど楽しいことが待っている」世の中にしたいんです。歳を重ねるほどリスクしかないのって辛いじゃないですか。だから、皆さんのご予定を楽しいもので埋めていきたいんですよね。そういう意味で町内会の運動会や夏祭りって、シニアの方にも楽しみな予定だったと思うんですけど、今コロナで全部なくなってしまいました。私はそれを取り戻したい。「来週はこんな楽しいことがある」ってカレンダーに花丸がつけられるような、エンタメ要素にあふれた街を作っていきたいんです。

そのために個人的に、「つまらないことも楽しくする」という運動をしています。例えばゴミ拾いって基本的にはつまらないけれど、着ぐるみを着て行ったらすごく声をかけられるんですよ(笑)。そんなつまらないことをどれだけ楽しめるか。市川を皆さんが楽しめるコンテンツにあふれた街にすることで、地域貢献につながったらいいなと思いますね。

ー「楽しみがある」というのはいいですね。MIKAWAYA21代表の青木さんが、シニアには「教育(今日行くところがある)」と「教養(今日用事がある)」が必要だとおっしゃっていました。イベントをするのは労力がいるけれど、3社が集まれば協力しあってできそうですね。薮嵜さんはいかがでしょう?

薮嵜:私は今まで、コミュニティとかまちづくりって全然考えたことがなかったんです。ただ唯一考えてきたのは、「事業を拡大して、人を雇用して、利益をあげて税金を納める」というのが最大の地域貢献だということでした。

特に雇用を増やすのはとても大事で、コンシェルジュもこれからどんどん増やしたいと思っています。熱い思いがある人がいるのなら、ヤブサキを使ってほしい。それ自体が貢献かなって。まだ利益をどのように上げていくかは見えていないけれど、今後はその部分を強化して、自分なりのまちづくりにつなげられたらと思いますね。

ー主体はコンシェルジュなので、まごころサポートが彼らにとっていきいきと働ける場所になれば、それもまた大きな地域貢献、まちづくりにはるはずですよね。最後に三者三様の市川への思いをうかがえて良かったです。ありがとうございました!

 

前編はこちらから

【全国のまごころストーリーVol.6】まごころサポート店舗が連携して、シナジーを起こす。 千葉市川の3店舗が考える「理想のまちづくり」とは?【前編】

<Photo:関 愉宇太、Text:土門 蘭>

店舗情報

店舗名:まごころサポート 市川菅野ヤブサキ店

店舗住所:千葉県市川市菅野4-14-1

社名/屋号:ヤブサキ産業株式会社

代表:薮嵜 康一

本社所在地:〒272-0824 千葉県市川市菅野4-14-1

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店舗名:まごころサポート いちかわクッカー店

店舗住所:千葉県市川市市川南3-2-12

社名/屋号:株式会社明治クッカー

代表:西原 亮

本社所在地:〒272-0033 千葉県市川市市川南3-2-12

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店舗名:まごころサポート 千葉東葛Flow店

店舗住所:千葉県市川市東大和田2-6-7

社名/屋号:株式会社フロー

代表:大塚 倫也

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