岩手県盛岡市にある「スタイル薬局」。
ここで、一年前からまごころサポートの活動が始まりました。
薬局業界のあり方や行く末に、危機感を持っていたという代表の平山智宏さん。
なぜそこで平山さんは、まごころサポートへとチャレンジしたのでしょうか。
経営者としてのスタンスや、地域における事業の役割など、さまざまなお話を伺いました。
平山さんのチャレンジ精神の源を紐解いていったインタビューです。
前編後編の2回に分けてお届けいたします。
2022/09/21
まごころストーリー
全国のまごころストーリーVol.5 「まごころサポート 青山スタイル薬局店」
岩手県盛岡市にある「スタイル薬局」。
ここで、一年前からまごころサポートの活動が始まりました。
薬局業界のあり方や行く末に、危機感を持っていたという代表の平山智宏さん。
なぜそこで平山さんは、まごころサポートへとチャレンジしたのでしょうか。
経営者としてのスタンスや、地域における事業の役割など、さまざまなお話を伺いました。
平山さんのチャレンジ精神の源を紐解いていったインタビューです。
前編後編の2回に分けてお届けいたします。
まごころサポートでの高齢者との関わりから、薬の問題が抽出できたらいいなと思っています。関係を築く中で薬や体調管理の問題が出てきたらぜひうちに投げてほしいと、コンシェルジュさんには言っているんです。現状はまだそこまで繋がれていないですが、今後はまごころサポートが患者さんと薬局をつなげる新しいラインとなってくれたらと思っています。
まずは認知度を上げるためにも、店舗内でまごころサポートの動画を流したり、野菜販売のイベントを行ったり、お薬相談会を開いたりと、外との接点を増やす努力をしていますね。
ーお話を聞いていると、新規事業やイベントなど、新しいことへどんどん挑まれている印象がありますが、平山さんはもともとそういうタイプなんですか?
そうですねぇ。多分私、同業者にはアホだと思われていると思いますよ(笑)。やっていることが異端というか……。
私はもともと薬剤師になりたかったわけではないんですよ。父が薬局をやっていたし、高校時代は別にやりたいことがなかったので、薬剤師になるかーと。でも、仕事がつまらなかったんですよね。どうしたら楽しくなるかなぁって。その頃からイベントをしたり、日常以外を豊かにすることで日常を楽しくさせようというのはよくやっていました。
こちらに戻ってきたときには、「ヤバいな」と思ったんです。システム化されていないし、ルールも機能していなくて、レベルが低い。そもそも業界自体が頭打ちになることもなんとなくわかっていたので、かなり改革を行いました。バチバチに喧嘩して、あの頃いたスタッフはほとんど辞めてしまいましたね。当時のスタッフには悪いことをしたなと思っています。今いるスタッフは、ほとんど私が新しく採用した方ばかりなんです。
ーすごい! 相当な変化を起こしたんですね。
はい。だけどそんなふうに改革していく中で、経営者としての勉強をちゃんとしなくちゃいけないなと思うようになりました。それで社長になってから、経営塾に通うようになったんです。
ーそこから、考え方に変化が出てきましたか?
そうですね。経営が楽しくなりました。そこの塾は異業種の方ばかりなので、保険薬局の方が一人もいないんですよ。私は、異業種の方々と一緒にいるのが好きなんです。自分たちの業界を俯瞰できるくらい、他の業界の方と接点を持つのが大事だと思っているので。
ー平山さんの視野の広さや見通しの力は、そういったことからも培われているのかもしれないですね。
確かに、大きな視野や長いスパンで見ようとする癖はあるかもしれません。うちの経営理念は「豊かな人間力をもって地域の医療・介護・福祉、そして健康を支え、安心して生活できる幸せな地域づくりに貢献する」というものなんですが、これは父が作っていた理念に、僕がそのあと肉付けしました。付け加えたのは、「地域づくり」の部分です。
ー地域づくり?
私は、すべての業種は「地域づくり」だと思っています。スーパーもコンビニも、パズルのピースみたいなもの。それらを組み合わせることで地域が作られていくんだと。それでこのような理念を掲げました。
私たち薬剤師の場合には、「専門性と人間力を発揮して、皆さんの健康維持に関わること」が役割です。それこそ、他の人や機械にはできないことだと思う。その役割の追求の結果、最終的には地域づくりに行き着くんだと思っています。
ーなるほど。役割を果たした、その先のことを考えていらっしゃるのですね。
はい。そう考えると、まごころサポートは、ピースとピースをくっつける接着剤のような役割を持っていると思います。ピース同士の間の穴埋めをする存在に、まごころサポートならなれる。新しいサービスでも、会社の理念に矛盾せずマッチしているなら、迷わずに取り組むことができます。
ー「地域づくり」という理念が軸にあるから、矛盾なく新しいことへチャレンジできるのですね。平山さんのチャレンジ精神の源がわかったような気がしました。
ーそれでは最後に、スタイル薬局さんの今後の目標について教えてください。
「地域の第一選択になること」ですね。マインドシェア1位をとりたいんです。
ーマインドシェア?
はい。「ラーメン屋といえばここ」「パン屋といえばここ」というように、すぐに思いつく名前ってあるじゃないですか。そんなふうに「薬といえばスタイル薬局」「困りごとと言えばまごころサポート」という存在になりたいんです。地域の人たちの思考の中に入りたい。そうすれば、自然と売り上げもついてくると思うので。
ー地域の人たちの思考の中に入る……そのために必要なことは何だとお考えでしょうか?
薬局に関しては、「日々の誠実な仕事」これに尽きます。基本的に薬局は困ったときに行く場所です。薬で困った、体調で困った……そんなときに思い浮かべてもらえる場所になるには、日々の仕事と対応がすべてなので、丁寧に着々とやっていくしかありません。
まごころサポートについては、とにかく「実績」。コンシェルジュさんを通して、信頼が少しずつ厚くなっていくような実績を作ることです。これは、コンシェルジュさんとの意識の共有が今のところの課題ですね。
それらを地道に重ね、自分たちの役割を果たすことで、地域づくりに貢献すること。それが私たちが掲げる目標です。
ー理念という軸足を中心に据えているからこそ、新しいことへ挑戦できるのだと教えていただきました。誠にありがとうございました。
前編記事はこちらから
【全国のまごころストーリーVol.5】 役割を果たすことが、地域づくりにつながる。 まごころサポートと作る、新しい薬局のかたち。【前編】
店舗名:まごころサポート 青山スタイル薬局店
店舗住所:岩手県盛岡市青山3丁目6-2
社名/屋号:有限会社スタイル薬局
代表:平山 智宏
本社所在地:〒020-0133 岩手県盛岡市青山3丁目6-2
<Photo:関 愉宇太、Text:土門 蘭>