プロバスケットボールチームが
まごころサポートを導入!

2021/10/24

加盟店インタビュー

福島ファイヤーボンズがFC加盟に込めた想い

コロナ禍で失った、地域との接点をつくるために

現在、全国55社以上の企業が<まごころサポート>に加盟しています。そのすべてに共通しているのは、地元で本業を持っていること。新聞販売店をはじめ、地域に根ざした活動を展開していますが、ユニークな企業が仲間入りしました。その企業とは、<福島スポーツエンタテインメント株式会社>。プロバスケットボールリーグ Bリーグに所属する<福島ファイヤーボンズ>のオーナーです。

福島ファイヤーボンズは現在、B2リーグを舞台にB1リーグ昇格を目標に戦っています。チームの立ち上げは東日本大震災から2年後の2013年。元々は震災後、地元・福島県の子どもたちの運動不足を解消するためにバスケットボールスクールを立ち上げたことに始まりますが、復興のシンボルのひとつとしてプロチームをつくることに発展していきました。

バスケットボールに限らず、プロスポーツチームは試合に勝つだけでなく、試合に足を運んで応援してくれるファンのための活動も大切です。福島ファイヤーボンズのように地元に愛されるチームは多くのファンを獲得するためにも地域貢献活動は重要な取り組み。前述のバスケットボールスクールの運営だけでなく、ユースチームの運営、福島の人々と交流するためのイベント企画、子どもたち向けの学校訪問などを行ってきました。これまでの地域貢献活動に加えて<まごころサポート>の導入に至った理由を、2021年5月に新たな代表取締役社長に就任した西田創さんは次のように語ります。

「そもそもは、<まごころサポート>を展開する<MIKAWAYA 21>と弊社の前社長が知り合いだったのですが、ぼく個人としてはお互いの事業の親和性の高さに共感しました。新型コロナウイルスの影響で、ぼくらがこれまで積み上げてきたものがゼロベースになって、計画が崩れてしまったんですね。試合の平均入場者数はコロナ以前の半分に落ち込み、感染防止の観点から地域のPR活動も積極的に行えなくなって地元の皆さんとの接点がなくなってしまった。チラシ配りもできなかったので、ぼくらに興味のない人たちとの接点なんてゼロ。チーム創設から地域貢献とあれだけ言ってきたのにまったく出来ていないなと。そんな厳しい状況を打開するために、<まごころサポート>は大変有効な打ち手になると思いました」

<福島ファイヤーボンズ>のファン層を分析すると、もっとも多く占めているのは40代の女性たち。さらに高齢の方たちにも支えられているのは地方チームならではの特徴です。もっとシニアのファンを増やしたい、試合に足を運んでいただきたい。未来のシニア層を含めたPRの接点づくりのために、シニアのご自宅に伺って生活のお困りごとを解決する<まごころサポート>の導入を決めました。

「シニアのご自宅に伺うことで、ぼくらの課題だけでなく、シニアと地方が抱えている課題も解決できるということに気づいたんです。<ファイヤーボンズ>のロゴが入ったユニフォームをコンシェルジュが着て訪問することで、まずは認知を得られます。生活をサポートしながら、『今度、試合があるんだよ』と伝えられるだけで試合に来ていただけるかもしれないし、クチコミが広がっていくかもしれませんよね。シーズンオフの時期には、選手がコンシェルジュに同行することも計画しています。そうすれば、もっとインパクトがありますよね。ぼくらにとって、やらない理由はありませんでした」

止まらない面接、もっとコンシェルジュが必要

<まごころサポート>として、プロスポーツチームが加盟するのは初めてであり異例でもあります。「プロスポーツチームがシニア事業?!」という大きなインはコンシェルジュの採用活動にも良い影響をもたらしています。

「おかげさまで面接が止まらないんです。やはり<ファイヤーボンズ>がシニア事業を始めたということで応募のハードルが比較的低いのかもしれません。コンシェルジュは業務委託契約なので正社員や契約社員の採用とは違います。もっとも重視しているのは、地域貢献への想いと信頼できるかどうか。あとはぼくらが<まごころサポート>の導入に込めた想いを汲み取っていただければ。空き時間に稼働する業務委託ということで拘束や制限はありませんし、特別な能力がなくてもスポーツチームの一員になれるという実感はモチベーションにもつながると思います」

 

福岡県出身の西田さんは幼少期について「僕も小さい頃に隣の家のおばあちゃんの手伝いをしていましたね。良い意味で、玄関の鍵が閉まっていなかったけど今はそうじゃない」と振り返ります。ところが、時代が進むにつれて核家族化と高齢化が進んでしまい、一人暮らしを強いられるシニアが増える一方。「シニアには隣人がいてくれることのありがたさがある」と話す西田さんは力仕事が必要なサポートの時はご自身が稼働することもあるのだとか。実際に家具の2階から1階への運搬、ゴミ出しなども経験したことで、地域が抱える課題がさらに浮き彫りになりました。

「郡山市のシニア宅には防犯センサーを付けている世帯が900もあるそうなんです。ぼくらからすれば、潜在的なところも含めたPRのチャンスがありますし、逆にそれだけのシニアが困っているということに驚きました。そういう意味では、コンシェルジュの人数がさらに必要なんですね。理想は、なんでも話していただけるような関係性の構築ですが、近隣の人に頼りたいのに『自分はまだまだ若い』というプライドが邪魔してしまうこともあるらしく、ぼくらはシニアの方たちに必要とされるポジションとして、そこに対してアクションしていきます。それと、老人ホームとの連携も視野に入れていて、介護保険の適応できないことをサポートできないかと模索しています」

“強い”ファイヤーボンズでなければ意味がない

7月30日、<福島ファイヤーボンズ>は郡山市との共同事業「こおりやまスポーツイノベーション」を発表しました。シニアから子どもまで参加できる健康体操やトレーニングのイベント、バスケットボールのレベルアップを目的に置いたクリニック、スポーツ指導者向け講習会、プロスポーツを通じた地元の魅力発信などを企画し、ホームタウンである郡山市を中心に健康と笑顔をつくっていきます。

「いろいろなアプローチからシニアに携わるという実績をつくっていきたいですね。そのためには行政と一緒に取り組むことは必要だと考えていました。いつかコロナ禍が落ち着き、今よりも積極的にイベントごとを開催できる日が来る日を夢見て、<まごころサポート>も連携しながら、いい種蒔きをしていける実感があります。ただ大前提として、<ファイヤーボンズ>が強くなければいけません」

悲願のB2優勝とB1昇格を目指す<福島ファイヤーボンズ>。10月に控える2021-22シーズンを戦っていく上でファンの声援は選手たちの大きな力になっていきます。<まごころサポート>の加盟は始まったばかりですが、日本が抱える高齢化をスポーツの力でどのように解決していくのか楽しみでなりません。いつかホームアリーナである宝来屋郡山総合体育館に、たくさんのシニアが訪れる日をわたしたちも心待ちにしています。

 

▲TOPへ戻る