豊かさは、優しさと喜びの循環

瀧本 文子さん|京都府 京都店

各地域の “素敵コンシェルジュ” が持つまごころやこだわりを紹介する、こちらの特集。シニアの皆さまに毎月お配りしている『冊子まごころ』に掲載していますが、WEB版では、コンシェルジュの魅力をより掘り下げ、お伝えしていきます。

 

今回登場するのは、『まごころサポート京都店』の瀧本文子さん。これまでに700回を超えるサポートをしてきた中で得た瀧本さんの気づきについて、お話を伺います。



面白いと思える仕事を、生涯現役で

―瀧本さん、今日はよろしくお願いします。

瀧本:はい、よろしくお願いします。

―瀧本さんがコンシェルジュ活動を始めたのは2021年6月でしたよね?

瀧本:そうです。初めてのサポートの前には、現地に下見にも行って。お相手はちょっと気難しそうな印象だったけど、同じ四国出身だってわかってから、すぐに仲良くなりました。お話しながら作業も一生懸命にしたら、とても感謝してくれたのを覚えています。

―コンシェルジュに応募したきっかけは何でした?

瀧本:ちょうどお仕事を探してたんですよ。でも60歳を過ぎていたから、なかなかないんですよね。私は生涯現役で仕事をしたいっていう願いがあるので、本当に年をとってでもできる仕事を見つけたいと思っていました。とはいえ体力的なこともあるし、何時から何時までっていう働き方には窮屈さも感じるし。何より「面白い」と思える仕事を探していました。でも、シニア向けのお仕事は、全然頭にはなかったんです。

―それは意外でした。

瀧本:求人サイトで見たときに、「まごころサポート」という響きに何かちょっとひかれて。でもシニア相手かと思って躊躇してたんですよ。だけど話は聞いてみるもんやと。うん。聞いてみて、そぐわなかったらやめたらいいしと思って、応募したんです。それで、面談で「お年寄りとのエピソードはありますか?」って聞かれたんやけど、私たくさんあったんですね。

長い時を超えて曽祖父への感謝

京都駅のストリートピアノにて

―子ども時代の話を聞かせてください。

瀧本:すごくかわいがられた子ども時代でした。近所のおっちゃんおばちゃんもね、ご飯食べに来なとか、お小遣いくれたりとか。私の曽祖父は料理人だったんだけど、私が通った幼稚園はお弁当を持っていかないかんけど、冷めたお弁当は私に食べさせたくないって言って、お昼の時間ギリギリに、温かい出来立ての弁当を届けてきてくれました。すごいんですよ本当に。自転車こいで持ってきてくれたんですよね。

―素敵な映像が目に浮かびますね。ところで瀧本さんは、長く音楽の先生をしていたんでしたんですよね。

瀧本:子ども向けのピアノの先生をずっと、教室や自宅で開催していました。なのでこういう仕事につくとは思ってなかったんです。逆に妹がケアマネをしてるんですよ。昔からおじいちゃんおばあちゃんにすごく優しくて。近所や知り合いのおばあちゃんとか、誰でも車に乗せて連れて行っちゃうみたいな。妹の真似は、私にはできないなと思っていました。

―妹さん、すごい!

瀧本:ところがまごころサポートに関わりだしてから、曽祖父にいろんなことを教えてもらってたから、ふすまや障子の張り替えとか、すぐにできちゃうんです。長い時を超えて、曽祖父にまた感謝しました。これまでいろんな経験はしているけど、気がついてないこともあるんだなって。コンシェルジュを通じて、こんなのができてたんやね、これもできるやんっていう気づきがありました。

謙虚に学んでいます

京都駅から望む京都タワーと瀧本さん

―人生を振り返る機会にもなったんですね。そういえば、ご夫婦でサポートを受けられているケースもあったりするそうですね。

瀧本:この間ご夫婦2人を連れて病院に付き添いました。まさかお父さんがついてくると思わなかったんやけど、もうついていかな気がすまん!っていうタイプで。「いやお父さん、おうちでおってくれたらええから、私に任せて」言っても、ついていくって。

―お母さんのことが心配なんでしょうね。

瀧本:これも夫婦愛やと思って。お母さんも「いくの?」みたいな顔してるけど、でも長年連れ添って、やっぱり微笑ましいなと思って。よそ様も、何か言いながらやっぱり連れ添う。素晴らしいことだなって、そういう勉強もさせてもらっております。

―何歳になっても学ぶことがある。

瀧本:何が人を引き付けるかって言ったら、やっぱり謙虚な姿勢やと思うんで。私もわがままに育ってきとるからね。天狗みたいにこんなやってきて。若いうちってそういうふうにやってきてるじゃないですか。でも歳がいってきたら、これはあかんだろって。妹や親に指摘されて、姿勢を正して。

―うんうん

瀧本:好きなことに関しては貪欲に学ぼうとするけども、ひとさまから、また全然違うジャンルを学ぶっていうのは、なかなかできないでしょう。でも、このコンシェルジュをやってみて、いろいろな人生を間近で見て、元気な方もいれば、苦しんでる方もいらっしゃる。それでも普通に、ありのままに接していけるだけの度量を持ちたいなと思うし、一生懸命に生きている姿にリスペクトしています。

―敬意を持って関わると

瀧本:そうそう。ほんでやっぱり、自分を知ってもらうような努力はせなあかんでしょ。知らない相手にはやっぱり仕事任せられんやろうし。「こんなことできます」っていっても「ほんまにできるの?」っていう時がやっぱりあるし。だから、嘘偽りのない言葉や態度で、相手に対して自分を見せるっていう努力を、せなあかんなって思います。

 

―信頼してもらう努力も大切ですね

瀧本:はい。あとはもう、あれこれ考えずにただ一生懸命、ここを綺麗にしようとか、次はどこをどうしたらいいかって、もう無心に動くっていう。初めて3、4ヶ月、ちょうど秋ぐらいに気がついたんです。目標は決めるけども、あとは無心でやっちゃう。そうしているあいだにどんどん仕事が入りだした。とにかく一生懸命、コツコツ。お客さんに対してコツコツやっていったら、道がひらけました。

―コツコツと、目の前のことに集中するんですね。

瀧本:それが自分にとって一番、心地いいやり方だなっていうのがわかった。人それぞれに心地良いやり方ってあるかなと思って。だから他のコンシェルジュさんはどういうふうにやってるかはわからんけど、そんな感じでやってます。

目標は、豊かさ

瀧本さんのピアノ演奏

―すごいですね。先ほど生涯現役って話がありましたが、このお仕事に限らず、これからの人生の目標や夢ってありますか。

瀧本:豊かになること。まわり全員が豊かになることが目標。

―瀧本さんの豊かさって、何ですか?

瀧本:「豊かさはお互いの心のやり取りから生まれてきます。優しさや喜びが循環してこそ豊かさは増します。日々のサポートを通して、お互いの、何か一雫のキラリと光るものが伝わりあえるといいなぁ、と思います」

―心地いい循環ですね。

瀧本:なるべく地獄に落ちんように、閻魔様に「お前はあっち(地獄)」って言われんように生きたいんで(笑)。自分の心に素直に人に接して、伝えていけるようになりたいなと思います。

 

Interviewer / Text:鈴木 孝英(MIKAWAYA21)

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